分かりません。著作権法には明記されていませんし、私の知る限り判例もありません。折り紙作品が著作物だと考える人もいれば、著作物ではないと考える人もいます。
そもそも、著作権は何のためにあるのでしょうか。著作権法によれば、「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与する」ためです。折り紙作品を著作物とすることで折り紙文化が発展するならば、折り紙作品は著作物であるべきでしょう。逆に、折り紙作品を著作物としないことで折り紙文化が発展するならば、折り紙作品は著作物であるべきではないでしょう。
このガイドラインでは、次の3つのことを仮定します。その理由は、この仮定を基に著作権法を解釈することにより、折り紙文化の発展に寄与すると考えられるガイドラインが得られるからです。
a. 創作された折り紙作品(折り紙の折り方)は、創作者の著作物である。
b. 折り紙作品の制作および講習は、創作された折り紙作品の伝達である(したがって、上演や演奏に相当する)。
c. 折り図(展開図・動画等、折り方を表現したものすべてを含む)は、創作された折り紙作品を翻案することにより創作された二次的著作物である。
このガイドラインは、あくまで私の私的な意見だと考えてください。私は、できるだけ著作権法に準拠したガイドラインを書いたつもりですが、なにぶん法律に関しては素人ですので、間違っているかもしれません。また、上記の3つの仮定が間違っていることもありえます。
あなたが、ここに書かれていることにしたがって、その結果トラブルに巻き込まれても、私もほかの第三者もいっさい責任をとりません。もっと信頼できる見解をお望みなら、弁護士に相談してください。
このガイドラインには、法的拘束力はありません。このガイドラインに従うのも従わないのも自由です。
なお、著作権侵害は親告罪ですので、第三者の著作物について著作権が侵害されていると思われる事例があったときは、まず著作権者に報告して、その後の対応についても著作権者に任せるべきだと考えます。(参考: 著作権侵害を指摘する前に / 知的所有権オタクにならないために)
自分で楽しむため、または特定かつ少数の人を対象にする場合には、自由に折ることができます。
営利を目的とせず、かつ観衆から料金を受けず、かつ制作者に報酬が支払われない場合には、著作権者の許諾は必要ありません。
それ以外の場合には、創作者の許諾が必要です。
いずれの場合でも、創作者が特に断らない限り、作品の題名と創作者名を正確に明示しなければなりません。
〔私が創作した作品については、作品の題名と創作者名を正確に明示するという条件で、これらのことを行ってもかまいません。〕
創作者の許諾が必要です。(ウェブサイトには営利・非営利の区別はありません。)
ただし、ウェブサイトやショーウィンドウなどで、作品を公開することで創作者の著作財産権を侵害するおそれがないと考えられるときは、著作権者の許諾を得ずに作品を折ることが慣習的に認められていると考えます。(法律的には営利目的であっても、実質的に「営利を目的とせず、かつ観衆から料金を受けず、かつ制作者に報酬が支払われない」と見なせる場合には、目くじらを立てる創作者はいないでしょう。)
いずれの場合でも、創作者が特に断らない限り、作品の題名と創作者名を正確に明示しなければなりません。
〔私が創作した作品については、作品の題名と創作者名を正確に明示するという条件で、これらのことを行ってもかまいません。〕
営利を目的とせず、かつ観衆から料金を受けず、かつ制作者に報酬が支払われない場合には、著作権者の許諾は必要ありません。
それ以外の場合には、創作者の許諾が必要です。
作品の題名と創作者名を正確に明示することが望ましいですが、現実的に難しい場合には、省略できると考えます。
〔私が創作した作品については、どんな場合でも、これらのことを行ってもかまいません。〕
特定かつ少数の人を対象にする場合には、自由に講習することができます。
創作者の許諾が必要です。
ただし、営利を目的とせず、かつ受講者から料金を受けず、かつ講師に報酬が支払われない場合には、著作権者の許諾は必要ありません。(非営利の教育機関の授業で必要となる講習は、この場合にあてはまると考えます。)
いずれの場合でも、創作者が特に断らない限り、作品の題名と創作者名を正確に明示しなければなりません。
〔私が創作した作品については、作品の題名と創作者名を正確に明示するという条件で、これらのことを行ってもかまいません。〕
ご自分で使用するためなら、著作権者の許諾は必要ありません。
また、非営利の教育機関の授業で必要となるときも、著作権者の許諾は必要ありません。
しかし、録画したものをお友達にプレゼントしたり、インターネットで公開したりするときには、創作者と講習者の両方の許諾が必要です。
いずれの場合でも、創作者および講習者が特に断らない限り、作品の題名と創作者名、講習者名を正確に明示しなければなりません。
ご自分で使用するためなら、著作権者の許諾は必要ありません。
また、非営利の教育機関の授業で必要となるときも、著作権者の許諾は必要ありません。
しかし、コピーしたものを講習で使ったり、お友達にプレゼントしたり、インターネットで公開したりするときには、創作者および折り図(展開図・動画等、折り方を表現したものすべてを含む)制作者の両方の許諾が必要です。
いずれの場合でも、創作者および折り図(展開図・動画等、折り方を表現したものすべてを含む)制作者が特に断らない限り、作品の題名と創作者名、折り図(展開図・動画等、折り方を表現したものすべてを含む)制作者名を正確に明示しなければなりません。
なお、コピープロテクトのかかった折り図(展開図・動画等、折り方を表現したものすべてを含む)については、個人的に使用する場合であっても、プロテクトをはずしてコピーすることはできません。
ご自分で使用するためなら、著作権者の許諾は必要ありません。
また、非営利の教育機関の授業で必要となるときも、著作権者の許諾は必要ありません。
しかし、それをお友達にプレゼントしたり、インターネットで公開したりするときには、創作者の許諾が必要です。
いずれの場合でも、創作者が特に断らない限り、作品の題名と創作者名を正確に明記しなければなりません。
公表されていない作品の場合は、創作者の許諾が必要です。
公表されている作品の場合は、作品の題名、創作者名、折り図(展開図・動画等、折り方を表現したものすべてを含む)制作者名、出典を明記した上で、「引用の目的上正当な範囲内で」引用することができます。
展開図全体を引用する場合であっても、その引用に必然性があり、かつ全体の著作物と引用された展開図とのあいだに主従関係がある場合には、「引用の目的上正当な範囲内」と考えます。
ご自分で使用するためなら、著作権者の許諾は必要ありません。
また、非営利の教育機関の授業で必要となるときも、著作権者の許諾は必要ありません。
しかし、写真をお友達にプレゼントしたり、インターネットで公開したりするときには、作品制作者の許諾が必要です。
また、その写真を営利目的で使用する場合には、創作者の許諾も必要です。
なお、展示会場に指示があるときは、その指示に従ってください。
いずれの場合でも、創作者および作品制作者が特に断らない限り、作品の題名と創作者名、制作者名を正確に明記しなければなりません。
営利を目的とせず、かつ観衆から料金を受けず、かつ展示者に報酬が支払われない場合には、著作権者の許諾は必要ありません。
また、作品が創作者の許諾の下に制作されている場合(創作者本人が折った場合を含む)には、創作者の著作財産権は消尽するので、著作権者の許諾は必要ないと考えます。
それ以外の場合には、創作者の許諾が必要です。
いずれの場合でも、創作者および制作者が特に断らない限り、作品の題名と創作者名、制作者名を正確に明記しなければなりません。
先行する作品を知らずに創作して、たまたま同じ作品ができた場合、複製とは見なされません。その作品はあなたの創作物です。安心してください。
ただし、誰でも同じようなものを作ってしまうような、偶然に似てしまう可能性の大きい作品では、そもそも創作性がないと見なされ、著作物と見なされないことがあります。もちろん、その場合では、一番最初に発表した人の作品も著作物にはなりません。
アレンジ・引用の程度によります。
元の作品とほとんど同じである場合、複製と見なされるので、あなたの創作物とは認められません。原作品の創作者の作品となります。作品を公開するには原作品の創作者の許諾が必要です。
新たな創作性が加わっていると見なされれば、あなたの作品となりますが、あなたと原作品の創作者の両方が著作者になります。作品を公開するには原作品の創作者の許諾が必要です。
高度の創作性が加わっており、独立した別の創作物と見なされる場合、あなたの作品となり、あなたが著作者になります。あなたの作品として公開することができます。
あなたが何もしなくても、あなたが創作した作品や折り図(展開図・動画等、折り方を表現したものすべてを含む)は、自動的に著作物になります。©マークなどは必要ありません。
創作者本人に直接連絡をするのは、連絡する方も難しいでしょうし、連絡される方も応対しきれないことがあります。また、著作権は部分的に譲渡できるので、必ずしも創作者が著作権者だとは限りません。
折り図が出版されている場合、出版社に問い合わせてみてください。折り図がウェブサイトで公開されている場合、サイトの管理者に問い合わせてみてください。また、創作者によっては、個人のウェブサイトや日本折紙学会のウェブサイト等で、特定の項目についてあらかじめ許諾を与えていることがあります。
〔私が創作した作品については、このガイドラインの中で許諾を与えることがあります。〕
著作権には保護期間があります。一般的には、著作権は著作者の死後50年まで存続します。
折り鶴の創作者は誰だか分かりませんが、その人の死後50年以上経っていることは確実ですので、作品の使用にあたって、創作者の許諾は必要ありません。
ただし、折り図(展開図・動画等、折り方を表現したものすべてを含む)を使う場合には、その制作者が著作権を持っている場合があります。また、制作された作品を使うときは、その制作者が著作隣接権を持っている場合があります。
著作権侵害が親告罪であることを考えれば、このような場合には、著作権者の許諾なしに作品を利用しても問題になることはないと考えられます。
どうしても気になる人は、文化庁に問い合わせてください。「文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して」利用することができます。